M.V.Foundation ソーラー発電プロジェクト詳細
M.V.Foundationの概略

非政府組織M.V.Foundationは、1981年にインドの児童労働(子どもが家庭の事情などで学校に行かずに、工場労働、農業、放牧、物売りなどに携わること)の撲滅を目標とし、インド南部のハイデラバードという都市に設立されたNGOです。児童労働に携わっている子どもの親に対し、子どもを学校に行かせるように説得し、子どもたちには入学試験(インドの小学校に途中編入する際には試験を受ける必要があります)に必要な学力をつけるための合宿に参加してもらっています。この合宿は期間が約1年間で、ボランティアによる教師や、他の子ども達との生活を通して集団生活のノウハウも学んでいます。M.V.Foundation はこれまでに約500の村でこの活動を行い、150.000人の子どもたちを小学校に送ってきました。インドの場合、児童労働に携わる子どもというのは都市部に比べて農村部に圧倒的に多いと言われています。というのも農村部では収入を得る手段が主に農業か放牧に限られているので、家庭の収入状況がその年の気候に影響されやすく、継続的に子どもを小学校に送り出すということが都市部に比べて困難な家庭が多いからです。また、親の世代も学校に行かずに教育を受けていないので、子どもに教育を受けさせる、という意識が低い、というのも原因の一つです。そこで、M.V.Foundationは1999年に農村部での収入向上のためのプロジェクトを開始しました。このプロジェクトの内容を簡単に列挙しますと、

・ それまで荒地だった土地を農地に変える活動
・ 小規模の灌漑の設置
・ 森林の保全
・ 牛糞と水によるバイオ発電
・ 菜種などを栽培し、販売用の油を精製する活動
・ 太陽電池で発電し、夜間の停電時の照明や、販売用のスパイスをつくる活動

太陽発電を用いたプロジェクトについて
私は主に、最後の下線部の部分の太陽電池を用いたプロジェクトに関わっています。このプロジェクトは、まず農村部で女性のグループ(インドでは男性に比べて女性の方が家庭を守ろうという意識が強いので)を組織し、MVFが仲介人となり、その女性グループは太陽電池などの機材を販売している企業から必要な機材を低金利のローンを組んで購入します。MVFはこの時、ローンの保証人になります。そして、この女性グループに対しMVFが、太陽電池による発電の仕方やスパイスの作り方などを指導します。
  Solar lantern Project(太陽電池を用いた夜間の照明)
現在、インドの電力の供給状況は大分改善されてきているとはいえ、まだまだ不十分であり、都市部に優先して供給されるので、農村部では夜間、長時間の停電が続くということが少なくありません。この状況を改善するためにMVFは、日中太陽電池で発電した電力を、充電式のライト(solar Lantern)に充電し、夜間使うという活動をしています。

これがその充電式のライトです。バッテリーのスペックは6V/10Ahで、中の蛍光灯は5Wのものを使っています。夏季は日中充電すれば夜間に4時間、曇りが多い季節には日中充電すると、夜間に3時間、雨季は三日間連続で日中充電すると夜間に3時間使えます。

これが発電のために使っている太陽電池です。6Wp発電できるものを使用しています。
表面は補強材で補強されています。MVFはこのプロジェクトを16の村で行っており、現在、約100個の充電式ライトを導入してきました。太陽電池によって充電されたライトは、基本的にその女性グループ内で使われることになります。その際に一時間の使用につきいくら、という様に少額の使用賃を支払い、それをグループ内で貯蓄し、今後更に機材が必要になった際の費用にします。MVFはグループ単位での貯蓄のために必要となる、基本的な会計のつけかたや、太陽発電やバイオ発電を専門に行っている他のNGOと協力して、女性グループ自ら機材のメンテナンスを行えるように、トレーニングを行っておりま
す。

?Solar Drier Project(太陽電池を使ってスパイスなどを商品に加工するプロジェクト)
M.V.Fは、農村部で栽培されたスパイスやトマトなどの野菜を太陽電池を使い乾燥させ、商品として付加価値をつけ、女性グループが販売するのをサポートする、という活動をしています。MVFはこのプロジェクトを3つの村で行っています。1つの村で1つずつこの機材を持っています。

これがその乾燥させる機械です。この大きな箱の中にスパイスや、野菜を入れ、太陽電池によってファン(奥に見える黒い丸い部分です)を回転させ、中の物を乾燥させます。ファンは3つついています。

使用している太陽電池です。充電式ライトと同様に6Wpのものを、3つ使っており、それぞれがファンと接続しています。

乾燥用のファンです。これが三つつています。 裏でこの様に接続しています。         

太陽電池が独立した形で設置してある場合もあります。これは10Wpの電池を使用しています。
 完成したスパイスです。これを市場で売り、現金収入を得ます。加工せずに売るよりも格段に利益がでます。これらの利益から、太陽電池や、充電式ライト、乾燥機の設備費のローンを返済していきます。
もしも、スペックが6wpか10wpの太陽電池を提供して頂けると、女性グループが太陽電池を購入する必要がなくなるので、ローンも約半額ですみます。ですので、これまでプロジェクトを行ってきた村に比べて、より貧困状況にある地域でもこのプロジェクトを行うことができます。もしも、提供して頂ける様な太陽電池がございましたら、是非ご理解とご協力をよろしくお願い致します。以上、長くなってしまいましたがここまで読んで頂きありがとうございました。