ソーラーネットは、家庭サイズの太陽光発電にかかわる技術を、主として未電化地区を多く抱える国々へ伝えることを目的に、1995年に設立されました。当初はインドネシアでの活動が主でした。
インドネシアでの活動のきっかけは、原発に反対する方法として宣伝用の太陽電池を送って欲しいとの要請をうけ、1994年に現地を訪れたことに端を発しています。その後、2年ほど日本から太陽電池のパネルを、現地NGOに送る活動を行っていました。しかし、あるNGOに送った太陽電池が実際は使われずに放置されていることを知り、物を送ることのみの運動に限界を感じ、技術移転に力点を置くようになりました。この過程で、完成した技術が小型太陽電池の手づくり技術です。この技術を元に、インドネシアのNGOは、自分たちで作りながら、自国の未電化地域に普及活動(無償供与)を展開しました。しかし、日本からの支援金をベースにした無償の活動は、限界があり、2003年を境に、資金的な行き詰まりが原因で、インドネシアのNGOは活動を停止しました。こうした経験から私達は、以下の点を原則として、活動を行っています

1. 物をあげるのではなく、自立できる技術と仕組みの支援をする。
2. 現地で根付いた組織・団体を通じての、支援をする。
3. 活動,さらに基本として、現地の人や活動する人たちの暮らしを継続するために、きちんとした資金の流れを作り出す。
4. 資金と技術は、関係する人々に公開し、共有すべき物は共有する。

2010年の私達の活動を図示すると、次のようになります。


爺柴プロジェクト
 手づくり太陽電池の全国、出前講習会です。エネルギーが自分たちで作れる事を実感してもらい、エネルギーの地産地消の仕組みを一緒に作ろうと呼びかけています。2007年から始めています。主催する団体は、国際NGO、地域おこしのグループ、学校などです。2007年には、JICA地球ひろばでも行われました。
 国際NGOや地域おこしのグルーブは、それを自分たちのフィールドで利用しています。学校では教育の一環として行われています(山形県東根工業高校等)。また、小学校の卒業制作で行われた事もあります。
これまでに50ヶ所以上で開催され,およそ800人の方が製作し、100枚程がつくられました。
 私達としては、生産手段を暮らしに取り戻す事を目的としています。

揺りかご
 手づくりした太陽電池等を寄付して頂き、電気を必要としている国々に、それらを贈るステージです。ソーラーネット登録してもらった国際NGOさん達に手渡す、場所です。生協等とも協力しながら、2010年7月時点で、13カ国に手渡されて、利用されています。
 人と人とが手を結ぶ仕組みです。


「爺柴」「揺りかご」及びソーラーネットへのご寄付
郵便振替口座 00110-8-579131
名称     ソーラーネット


資材の共同購入を目指して
 手づくり太陽電池は、小さな資本で、小さな工房で、組立てる事が可能です。できた太陽電池の販売も含めて、様々な仕事起こしが可能となります。我が国では、障害者の自立センターがはじめています。途上国では、スラムや学校支援のNGOを通じて、工房が出来つつあります。この場合、作り出された太陽電池が、自分たちの利用する以外、販売されて資金を生み続ける必要があります。太陽電池の部材の値段は、仕入れの量で決まります。量をまとめる仕組みは、共同購入です。共同購入組織では、価格と技術の公開・共有が大原則となります。そのための組織を作ろうと夢見ています。
 

人材の育成
 手作り太陽電池やその利用技術を必要とする世界各地の人々へ、届ける人材を育成して行きたいと、考えています。

 興味のある方はソーラーネットへご連絡ください。→ sakurai@solar-net.org.